天秤式の原理とは…
江戸時代の酒造り図を見るとその中心に重石を太い柱の先端にぶら下げて“てこ”の原理を利用して酒を搾っているのが『天秤式搾り機』です。
当時は現在のように油圧で強く搾るのではなく、人間の知恵で少しでも強く圧力をかけて少しでも多くの酒を搾り出す方法を考案して酒を搾っていました。
“モロミ以上の酒を搾る事は出来ませんが、モロミに近い酒を搾ることが出来るのが天秤式搾り機”です。モロミへの負荷を少なくするのは横型の連続搾り機か槽式の搾り機かでなく、その他モロミの送り方など様々な要素があります。
弊社の吟醸搾り機はこの天秤式搾り機の原理に基づいた押圧方式により、モロミへの負担を最小に抑えて、自然垂れから搾り切りまで大切なモロミを最高の状態で搾ることが出来ます。
30年以上前に得たヒントから…
30年以上も前、弊社のあるお取引先様が“いい酒を造る機械は無いものか”と思案され弊社に相談された時、その当時随分以前に発売されてしばらくほとんど売れる事が無かった“滓搾り機”がたまに売れる事があり“いったい何に使っておられるのか。”をご購入頂いたお客様にお尋ねした所「これで酒を搾ると、なぜかわからないがいい酒が搾れる」とおっしゃっていたのを思い出し、「手廻式の搾り機で酒を搾られたらどうですか。」とご提案させて頂きました。
杜氏様は早速蔵の2階の片隅に使われず眠っていた“滓搾り機”を丁寧に洗った後、とりあえず普通モロミで自動搾り機と手廻式の搾り機で搾った酒を比較されその違いに驚かれました。
この違いは何なのかと考えられ、
連続的搾り機と手廻式搾り機との作業の違いは…
手廻式搾り機の場合はモロミの移動から袋詰めから全て手作業で行っている点であり、ここに何かヒントがあるのではないか、
手作業で行っている場合はモロミへの負荷が少なく、おそらくモロミを傷める事が少ない方が同じモロミでもモロミに近い状態で搾れるのではないかと推測しました。
出品用の酒の“首吊り”方式による搾りは正にこの原理に基づいた方法ではないかと考えられます。
昔ながらの最高の搾りを…
弊社では天秤式の原理にと30年以上前に得たヒントに基づき“滓搾り機”を改良した“吟醸搾り機”を新たに発売しました。
発売当初は小型の手廻式のみでしたが、容量も大型化しより多く搾り切りたいとの要望から、現在では手廻式に加え、自動油圧式も発売しております。
弊社は長年の経験と実績により最高の搾りをトータル提案させて頂きます。
日本酒も量産化から品質化への現在、手間はかかりますが確実に連続搾り機より高品質な酒が搾れる弊社のTM式吟醸搾り機をご採用頂きます様よろしくお願い致します。